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有責配偶者からの離婚請求

「有責配偶者からの離婚請求」とは、不貞や暴力をした側から離婚を求めることができるかという問題です。判例(最大判昭和62年9月2日)では、以下の全ての要件を満たす場合に有責配偶者からの離婚請求が認められています。

①別居期間が長期間に及ぶこと
②未成熟の子供が存在しないこと
③離婚することによって相手方配偶者が精神的・社会的・経済的に極めて過酷な状態にならないこと

①は、一般的に5年程度の別居期間が必要とされています。

②の未成熟の子供とは、まだ経済的に独立していないことを指すので、22歳で仕送りを受けている大学生など、成年の子供も含みます。

③は、事案によりますが、たとえ長期間別居していても、有責配偶者が相手方配偶者と子供にほとんど生活費を渡していない等のケースでは、離婚後にますます相手方配偶者と子供の生活が厳しくなることが予想されるため、離婚が認められないことがあります。

以上のように、有責配偶者からの離婚請求が認められるかどうかは、様々な事情が考慮されるため、なかなか簡単には離婚できません。有責配偶者で離婚をお考えの方は、まず別居した上で、離婚に詳しい弁護士に相談することをお勧め致します。

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