弁護士コラム

2016.04.18

非嫡出子(認知)

婚姻していない母親から生まれた子ども(非嫡出子)には、誰が父親であるかということについての推定が及びません。
そのため、非嫡出子は母親の氏で戸籍に登録されることになり、親権者も母親のみ、ということになります。
このような場合において、子と父との間に父子関係を成立させるためには、認知が必要となります。

 認知が認められるためには、父子の間に自然的血縁関係が認められなくてはなりません。
以前は、その立証が困難であるために父子関係が認められないということも多かったようですが、現在では、DNA鑑定等が取り入れられるようになったため、父子関係は以前よりも認められやすくなっているといえます。

 なお、父親が自らの意思で認知をする場合は、認知届けを市区町村の戸籍窓口に提出して行いますが、父親が認知をしない場合は、非嫡出子(子が未成年のうちは、通常母親が代理人となります)が認知を求めて、裁判所に認知の訴えをすることになります。

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投稿者: Nexill&Partners Group

2016.04.18

離婚後300日問題とは

夫婦の離婚から300日以内に元妻が出産した子どもは、元夫との間の子どもであるとの推定が及び(嫡出推定)、現代のようにDNA鑑定等でそれが事実とは異なることが明らかな場合であったとしても、原則として、元夫を父親とする内容の戸籍しか受理されません。
また、離婚した元夫の子どもとして戸籍に登録されることを元妻が望まず、戸籍に登録されない子が出てきてしまう場合もあります。このような問題を、離婚後300日問題と呼び、特に近年注目されるようになってきています。

 この問題に対処するため、妻が子を懐胎したであろう時期に、夫婦が長期間の別居をしていた場合や、夫が刑事収容施設に入っていた場合、夫が失踪していた場合等、明らかに夫の子ではないと言えるケースでは、嫡出推定は及ばないと言われています。
また、2007年から、離婚後の妊娠であるという医師の証明書を添えて出生届を提出すれば、婚姻の解消後300日以内に生まれた子であっても嫡出推定が及ばないものとして取り扱うことが可能となりました。

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2016.04.18

嫡出否認の制度について

嫡出推定は、生まれた子どもの法律上の父子関係を早期に安定させようという要請から認められる制度ですが、これはあくまでも法律上の推定ですので、推定の父子関係が実体にあっていないという場合も、もちろん考えられます。
しかし、事実と異なるからという理由でいつでも簡単に嫡出推定を覆せるとなると、父子関係がいつまでも定まらない子どもが出てきたり、出産から何年も経過していきなり父子関係を否定されたり、という事態が生じてしまいます。

 そのような事態を避けるため、推定された父子関係を否定するには、裁判手続によらなければならないと定められています。
この裁判手続を嫡出否認の訴えと呼び、申立てをすることができるのは、子どもの父親として推定を受けた夫(夫婦が離婚して300日以内である場合には元夫)のみです。
また、申立てをすることができる期間も、(元)夫が子どもの出生を知ってから1年以内に限定されています。
このことからも、嫡出推定の制度が、いかに子の福祉を重視した制度であるかがわかると思います。

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2016.04.15

嫡出推定について

婚姻している母親から生まれた子どもは、嫡出子と呼ばれ、母の夫が、子の父親であると推定されます。
この推定のことを、嫡出推定と呼びます。
つまり、結婚をしている母親が生む子どもは、その夫の子どもであろうという推定が働いていることになります。
 とすれば、婚姻関係の有無のみによって嫡出子か非嫡出子かが区別されることになると言えそうですが、これでは不都合も生じてきます。
 仮に、母親が誰かと婚姻関係にある状況で出産したとしても、出産が婚姻した日から1ヶ月がたった頃であった場合、必ずしも現在の夫が生まれた子の父親であるとは限りません。
このような場合でも嫡出推定が及ぶとなると、子どもは本当の父親ではない者の子として戸籍に登録されることになるので、実体に合っていません。
また、母親が離婚をした日から1ヶ月がたった頃に出産した場合、その子どもは前夫の子である可能性が高いといえるにも関わらず、その子には父親の推定が及ばないとするのは、子どもにとって良いことではありません。

 このような不都合を回避するため、法律は、「婚姻成立の日から200日後又は婚姻の解消もしくは取消の日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐妊したものと推定する」というルールを定めています。
 従って、通常は母親の婚姻関係の有無によって、子どもの父親についての推定が及ぶか否かが決まりますが、例外的に、婚姻から日にちが経っていない場合には婚姻関係はあるにもかかわらず嫡出推定を否定し、逆に、離婚後すぐになされた出産については、婚姻関係はないけれど嫡出推定が及ぶことになります。

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2016.04.15

父子関係はどのようにして決定するか

 生まれた子どもの母親が誰であるかは、懐胎・出産という事実により決定することができます。
では、子どもの父親が誰であるかは、どのようにして決定されるのでしょうか。

 この点は、懐胎・出産を行った母親が誰かと婚姻関係にあるのかどうか、という事情によって大きく変わってきます。
 まず、母親が婚姻している場合は、婚姻の相手方、すなわち夫である男性が、生まれた子どもの父親であると推定されます。
 これを嫡出推定といい、生まれた子どもは嫡出子または婚内子と呼ばれます。
 ただし、母親が婚姻をしている場合でも、嫡出推定が及ばないケースもあります。これについては、次の「嫡出推定について」でご説明します。
 
これに対し、母親が誰とも婚姻関係にない状況で子どもを出産した場合、婚姻を媒介として父子関係を決定することはできません。このような状況で生まれた子どもは、非嫡出子または婚外子と呼ばれます。
非嫡出子の父子関係は、父親の「認知」がなされた場合に成立します。

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2016.04.15

法律上の親子関係とは

法律上の親子関係には、自然的血縁関係が基礎となっている場合の「実親子関係」と、自然的血縁関係が基礎となっていない場合の「養親子関係」とがあります。
自然的血縁関係があるというのは、簡単に言えば、親子の血が繋がっているということです。
 基本的には、生まれたばかりの子は、少なくとも、懐胎・出産をした母との間に実親子関係として母子関係が成立することとなります。
そして、詳しくは後で述べますが、母子関係の決定を受けて父子関係も決定していくことになります。

 これに対し、懐胎・出産という自然的血縁関係は存在しない場合でも、「養子縁組」を行うことによって法律上の親子関係を成立させることが制度上可能です。
これにより成立する親子関係を養親子関係として、実親子関係と区別するようになっています。

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2016.04.08

養育費(4)

約束通りに養育費が支払われない場合は、どのように対処すればよいでしょうか?
離婚時に家庭裁判所で調停調書や判決書が作成されており、尚且つその中に養育費についても記載があれば、これをもとに家庭裁判所から「履行勧告」をしてもらうことが可能となります。
これは家庭裁判所からの支払い督促であり、強制力はないものの、多少の効果は得られると考えられます。

履行勧告より強制力のある対処法としては、相手の給与等に対する「強制執行」があります。
履行勧告の場合と同様に、養育費についての取り決めが記載された家庭裁判所の調停調書や判決書、あるいは公正証書があれば、強制執行によりほぼ確実に、養育費を確保することができます。

以上のことからわかるように、養育費に関する取り決めは、正式な書類に残しておくことが肝心です。

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2016.04.08

養育費(3)

離婚の際に養育費の額をきちんと話し合いで決めていたとしても、その後の事情の変化で養育費の額の変更が必要となる可能性は十分に考えられます。
例えば、子どもが病気をして手術費・入院費が必要になったり、留学の費用が必要になったりといった場合には、養育費の増額が望まれるでしょう。
あるいは、養育費を支払っている親が再婚して子どもが生まれたり、リストラにより経済状況が大きく変化したりといった場合は、養育費の減額が必要となってきます。

このような場合には、夫婦間の話し合いで養育費に関する取り決めの内容を変更することが可能ですが、話し合いで協議がまとまらない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てることになります。

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2016.04.08

養育費(2)

子どもの養育に必要な費用というのは、具体的に衣食住の費用、学校などの教育費、医療費、娯楽費等を指します。

具体的な金額がいくらになるのかということは個々の家庭によって様々ですが、共通して言えることは、子どもが最低限の生活を送れる程度の費用を支払えばよいという訳ではなく、自らの生活水準と同程度の生活を送れるよう、その為に必要な金額を支払わなくてはならない、ということです。

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2016.04.08

養育費(1)

養育費とは、未成熟の子を育てていくために必要な費用のことを指します。
養育費というのは、本来、子どもが親に対して支払いを請求できる性質のものですが、通常は子どもを引き取っていない方の親(非監護者)から、監護者である親に対して支払われます。

未成熟子とは、社会的・経済的に自立しておらず、親の扶養や援助を必要とする子どものことをいうため、未成年であっても自立していれば未成熟子にはあたらず、逆に、成年であっても経済的に自立をするまでは、未成熟子に含まれます。

もっとも、法律で「養育費の支払いは、子どもが経済的に自立をするまで」と決まっているわけではないので、離婚の際の夫婦間の話し合いや調停で、”子どもが成人する日まで”、”子どもが大学を卒業するまで”といった約束にしておくことは可能です。
いずれにせよ、養育費の支払いに関しては離婚時にはっきり決めておかなければ、後のトラブルの原因となりかねません。

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