Q暴力ではなく、精神的なイジメも離婚原因として認められますか?
Q「離婚したい」「私が我慢すれば済む」という気持ちで揺れています
DV(ドメスティック・バイオレンス)とは?
「DV(ドメスティック・バイオレンス)」とは、家庭内暴力のことで、家族である夫や妻に対する身体的暴力や精神的暴力のことをいいます。
※婚姻関係だけでなく恋人関係でもDVは存在します。
DVは離婚原因として認められているにも関わらず、家庭内のことだけに外部からは分かりにくく、立証するのが難しいのが現状です。
さらに、DVを受けている側が、それをDVと認識していない、我慢しようとするなどして、被害が長期化してしまうおそれがあります。
DV(家庭内暴力)の種類について
DVには大きく分けて5つの種類があります。一般的には身体的な暴力のイメージが強いですが、精神的なダメージを与えるものもあります。
身体的虐待 | いわゆる身体への暴力がこれに当たります。
を一方的に行う行為です。 |
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精神的虐待 | 相手に対してストレスを与えるような行為がこれに当たります。
など |
性的虐待 | 相手の気持ちを無視した性的な侵害行為のことで、これによって相手にストレスを与えるものをいいます。
など |
経済的暴力 | 配偶者としての経済的な責任・義務を果たさない、経済的なことでストレスを与えるなどがこれに当たります。
など |
社会的隔離 | 相手に対する束縛や監視・コントロールを通して、社会的なつながりを持たせないよう隔離することをいいます。
など |
モラハラ(モラル・ハラスメント)とは?
「モラハラ(モラル・ハラスメント)」とは、近年取り上げられるようになった言葉で、DVの一部とも考えられているものです。
具体的には身体的な暴力ではなく、主に言葉や態度による嫌がらせや無視など、精神的なストレスを与える行為のことをいいます。
モラハラ行為の一例
- 家事の不出来や育児について嫌味を言う
- 無視する
- 一緒に食事をしないなどあからさまに避ける
- 子どもの前で怒鳴る
など、人間的な価値を貶めるような行為を行うことがモラハラに当たります。
弁護士からの一言
DVやモラハラの場合、密室で行われている行為なだけに、その違法性を立証するのが難しいといえます。DVやモラハラが原因で離婚したい場合は、確実な証拠を集めることが大切です。たとえば、身体的な暴力であれば暴力を受けてすぐに医療機関を受診する、精神的な虐待であれば専門機関やカウンセラーに相談するなど、記録として残るものがあった方が有利です。
家中が荒らされている様子や物が壊されている様子などを写真に撮ったり、暴言を吐かれているところを録音したりする方法もあります。このような証拠集めに関しては、どんなものが有用なのか、どんな方法で集めるのかなど、私ども弁護士にご相談ください。